カリマーの物語は、イギリス北西部の産業革命発祥の地、マンチェスターから始まります。
1940年代、チャールズとメアリー・パーソン夫妻が自転車屋を営んでいました。
当時はまだ自動車の普及率が低く、一般の人々の主な移動手段は自転車でした。
そのため、彼らの商売は大変繁盛していたのです。
しかし、ある日チャールズに不運が訪れます。
溶接作業中に火花が目に入り、視力が低下してしまったのです。
この出来事がきっかけとなり、チャールズは通勤通学用のサイクルバッグの製作を思い立ちます。
これが、カリマーの製品づくりの始まりとなりました。
カリマーがバックパックを作り出したきっかけ
カリマーが現在のようなクライミング・パックを作り始めたのは1950年代のことです。
チャールズとメアリーの息子、マイク・パーソンが事業を引き継いでからのことでした。
きっかけは、登山家たちからバックパック製作を依頼されたことでした。
マイクの作るバックパックには、次のような特徴がありました。
これらの特徴は、当時の登山用具の常識を覆すものでした。
それまでの登山用バックパックは、キスリングザックに代表されるような大きくて体から張り出すタイプが主流だったのです。
革新的なデザインと機能性を追求したカリマー
また、カリマーの鮮やかなカラーリングも大きな話題となりました。
当時の登山道具は、主に帆布やウール素材が使用され、色といえば茶色やカーキ色程度でした。
カリマーは、登山道具に彩色という新しい概念をもたらしたのです。
カリマーは機能面でも様々な飛躍を遂げ、フランスのミレー、ドイツのドイターといった他のブランドと共に、登山の歴史を築き上げていきました。
このように、カリマーは常に革新的なデザインと機能性を追求し、登山用具の進化に大きく貢献してきたのです。
その精神は、現在のカリマー製品にも脈々と受け継がれています。