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シナノ(SINANO)のトレッキングポールが愛される理由は105年の歴史にあった

シナノ(SINANO)のトレッキングポールが愛される理由は105年の歴史にあった

SINANO/シナノ

【創業国】日本
【創業年】1919年
【創設者】柳澤光三

 

長く険しい山道を歩く時、一本のトレッキングポールが単なる道具から信頼できる相棒のように感じられることがあります。体重を預け、次の一歩を支えてくれるその存在は、時に登山そのものの成否を左右するほど重要です。

しかし、その一本のポールに105年を超える物語と哲学が宿っているとしたら、あなたの登山はより深く豊かなものになるのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、長野県佐久市に拠点を置く日本のポール専門メーカー「シナノ(SINANO)」です。1919年の創業以来、スキーポールの国内トップブランドとして日本のウィンタースポーツを支え続けてきた老舗企業が、なぜ多くの登山者から愛され続けているのか。

その答えは、信州の豊かな自然の中で育まれ、日本の登山者の声を真摯に聞き続けることで磨き上げられてきた、唯一無二の歴史の中にありました。

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大正8年に始まったシナノの物語

1919年、日本にスキーが伝来してわずか8年後の長野県で、一人の職人が小さな工場を立ち上げました。これが、現在まで105年間続くシナノの歴史の始まりです。創業者の熱い想いと故郷への愛が込められたブランドは、時代を超えて多くの登山者に愛され続けています。

 

竹製スキーポールから始まった信濃の小さな工場

シナノの歴史は、長野県上田市に設立された「信濃スキー製作所」から始まります。当時の日本ではスキー用具のほとんどが海外からの輸入品で、国産の製品は見よう見まねで作られた粗末なものばかりでした。

そんな中、創業者は地元の竹を使った高品質なスキーポール作りに挑戦しました。最も乾燥して弾力性に富んだ和竹を厳選し、細部にまでこだわりを持って製造に取り組んだのです。

  • バスケット(リング)の形状を独自に改良
  • 石突きの設計にも工夫を凝らす
  • ストラップには上質な革を使用

シナノは創業当初から「より良いポールを作りたい」という情熱が製品の隅々にまで宿っていました。

 

資金38円から立ち上げた創業者の熱い想い

現在の貨幣価値に換算すると決して多くはない、わずか38円の資金で事業をスタートさせた創業者。この数字は単なる金額以上の深い意味を持っています。潤沢な資本を持つ企業家ではなく、一人の職人が自らの技術と情熱だけを頼りに未知の分野へ挑戦したことの証なのです。

この「無から有を生み出す」という創業精神は、困難な時代を乗り越え、常に新しい分野へ挑戦し続けるシナノの企業文化の原点となりました。

資金が限られていたからこそ生まれた創意工夫が、後の技術革新の基盤を築いたといえるでしょう。小さな町工場から始まった会社が、やがて日本のポール市場を牽引する大樹へと成長していく物語の出発点がここにあります。

 

ブランドネーム「シナノ」に込められた故郷への愛

創業時の「信濃スキー製作所」から現在まで、一貫して「シナノ」の名を冠し続けているのは、故郷への深い愛情と誇りの表れです。シナノという名前の由来には諸説あり、そのどれもがブランドの特性と深く結びついています。

  • シナノキ(科の木)に由来する説では、しなやかでありながら強い特性がポールの理想と重なる
  • 地形に由来する説では、山々に囲まれた信濃の坂の多い地形そのものを表現
  • いずれの説も、製品が使われるフィールドとブランド名が深く結びついていることを示す

海外ブランドの多くが普遍的な響きの名前を持つ中で、「シナノ」という名は日本の登山者にとって特別な響きを持ちます。故郷の山々を思い起こさせ、製品への信頼と愛着を深める強力なアイデンティティとなっているのです。

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100年間培い続けた「支える技術」の進化

シナノの100年は、まさに素材と技術革新の歴史そのものです。竹製のスキーポールから始まった同社は、時代のニーズに応じて素材を進化させながら、常にユーザーの安全と快適性を第一に考えた「支える技術」を磨き続けてきました。その技術力は南極探検隊にも認められ、市場の激変をも乗り越える原動力となっています。

 

竹から金属、そしてカーボンへの素材革命

シナノの技術革新を語る上で欠かせないのが、1956年に開発された「合竹ポール」です。これは複数の竹を貼り合わせて一本の角材にし、それを削り出して作る集成材ポールで、天然竹が持つ強度のばらつきという課題を見事に解決しました。

1968年には時代の要請に応え、素材を竹から軽量なアルミ合金へと転換し、社内に一貫生産体制を確立しています。さらに1995年にはカーボン素材を採用しましたが、シナノらしいのはその安全への配慮です。

  • カーボンが破損した際の繊維飛散を防ぐため、アラミド繊維(ケブラー)を巻きつける
  • 軽さだけでなく、安全性も同時に追求する設計思想
  • 各時代の最適な素材を見極めて採用する技術力

この徹底した安全第一の姿勢は、現在の製品開発にも受け継がれています。

 

南極探検隊も信頼した品質の証明

シナノの技術力を世界に知らしめた象徴的な出来事が、1956年の第1次南極地域観測隊への製品納入でした。予備観測でシナノ製ポールの高い性能が認められた結果、本観測では同社製品のみが採用されるという栄誉に輝いたのです。映画「南極物語」で知られるタロとジロも乗船していたこの歴史的な探検を、シナノのポールが極寒の地で支えていました。

この事実は創業から間もない時期に、既にシナノの技術が世界最高水準の信頼性を獲得していたことを物語ります。極限の環境で求められる条件は厳しく、以下のような要素が重要でした。

  • 氷点下数十度でも折れない強度
  • 長期間の使用に耐える耐久性
  • 命を預けられる絶対的な信頼性

この実績により、シナノの名前は一躍注目を集めることになります。

 

スキー市場の激変を乗り越えた事業転換の決断

1990年代をピークに、日本のスキー人口は急激に減少していきました。スキーポールを事業の柱としてきたシナノにとって、これは会社の存続を揺るがすほどの大きな危機となります。しかし、同社はこの逆境の中で自社の強みを再定義し、見事な事業転換を成し遂げました。

彼らが導き出した答えは、自社の核となる技術は「スキーポールを作ること」ではなく、「ポール技術でウォーキングライフを支える」ことであるというものでした。この明確なビジョンのもと、長年培ってきた「身体を支える技術」を新たな市場へと展開します。

  • 1999年に高齢化社会に対応した歩行補助杖市場に参入
  • 2005年にトレッキングポールのSGマーク工場認定を取得
  • 登山ブームの高まりを受けアウトドア市場へ本格進出

この戦略的転換により、シナノのトレッキングポールは100年の歴史を持つ「支える技術」の正統な継承者となったのです。

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日本人のためだけに設計されたシナノのトレッキングポール

シナノのトレッキングポールが多くの登山者から選ばれる理由は、日本人の体格や手の大きさを科学的に分析した専用設計にあります。欧米ブランドの画一的なサイズとは異なり、日本人に最適化されたグリップや独自の特許技術、そして国内一貫生産による徹底した品質管理が、他社では実現できない使いやすさを生み出しています。

 

なぜ握りやすいの?科学的に解析された最適グリップ

シナノは多数の日本人の手形データを収集・解析し、最適なグリップサイズを導き出しています。この科学的アプローチにより実現された「細めの立体形状による最適な握り径」は、欧米ブランドの大きすぎるグリップで握り疲れを感じる日本人ユーザーにとって理想的なフィット感を提供します。

実際の使用者からは「握りやすく扱いやすい、日本人の体形に配慮されている」「手が小さくても自然に握れる」といった評価が口コミでも目立っています。また、日本人の平均身長を詳細に分析し、125cm超の使用長の使用者が少ないデータに基づいて製品の使用長を最適化することで、以下のメリットを実現しています。

  • 不要部分の除去による軽量化
  • 重要部分の強化による耐荷重性向上
  • 日本人の体格に合わせた最適なバランス設計

 

他社にはマネできない特許技術の数々

シナノの技術力は、登山者が実際にフィールドで感じる不満や不安を解消するために発揮されています。その代表格が、革新的な「落ちにくい先ゴム」技術のPP-25先ゴムです。

従来のトレッキングポール用先ゴムは紛失しやすく、山中でのプラスチックゴミ問題の一因となっていました。シナノは「外れにくさと必要時の取外し容易性の両立」という困難な課題を独自技術で解決し、ユーザーからは「本当に外れない」「全メーカーがこれになればいい」と絶賛されています。

創業以来培ってきた「握る技術」「支える技術」は、シナノの技術的DNAと言えるもので、特に以下の技術が他社との差別化を生んでいます。

  • 100年間の蓄積によるアルマイト処理技術
  • 曲面印刷技術の独自ノウハウ
  • 一本単位のオンリーワン印刷まで対応可能な技術レベル

 

国内一貫生産だから実現できる品質管理

シナノは長野県佐久市の自社工場で国内一貫生産を維持しており、組立から梱包に至るまで、すべての工程で品質管理が徹底されています。

「1本1本自分たちの目の届く範囲での生産管理」を実現し、シナノオリジナル設計の国産アルミ合金を採用することで軽量性と強度の両立を図っています。全数検査体制により、1本1本の品質確認を実施し、強度、操作性、表面処理品質のすべてをクリアした製品のみが出荷されます。

近年では3Dプリンタと金属型のハイブリッド技術を導入し、オリジナルグリップのカスタム製作を可能にしました。この技術は関東経済産業局の地域産業資源開発事業計画に認定され、技術革新企業としての評価を得ています。

  • 国内工場での一貫した品質管理体制
  • 全数検査による高い品質保証
  • 最新技術を活用したカスタム対応
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自分にピッタリのシナノトレッキングポールはどれ?

シナノのトレッキングポールは、そのラインナップが非常に分かりやすく整理されており、初心者から中級者まで自分の登山スタイルに合った一本を見つけやすいのが特徴です。

登山経験や重視するポイントによって、最適なモデルが変わってきます。ここでは代表的な3つのシリーズを、想定されるユーザー像とともに詳しくご紹介します。

 

初心者におすすめのロングトレイルシリーズ

ロングトレイルシリーズは、まさにシナノのトレッキングポールの「基本」であり、これから本格的に登山を始めたい方に最適なモデルです。シャフト素材には軽量でありながら強度としなやかさを併せ持つ超軽量アルミ(7075ジュラルミン)を採用しています。

万が一転倒などで強い力がかかった際にも、カーボンのように一気に破断するのではなく「曲がる」ことで衝撃を吸収するため、下山まで使い続けられる可能性が高いのがアルミ素材のメリットです。

ロングトレイルシリーズが初心者におすすめな理由は以下の通りです。

  • 手に取りやすい価格帯でありながらシナノの品質基準をクリア
  • 万が一シャフトを曲げてしまっても一節だけを交換可能
  • グローブをしたままでも操作が容易なレバーロック式を採用
  • 分解メンテナンス対応で長期間の愛用が可能

安心の品質とサポートで、初めての一本として理想的な選択肢となっています。

 

軽量派が選ぶフォールダーTWISTシリーズ

フォールダーTWISTシリーズは、シナノの革新性を象徴するフラッグシップモデルです。軽量性、収納性、そして操作性を最高レベルで満たしたい登山者のための決定版と言えるでしょう。

なんといっても画期的なのが、独自のツイストロック機構です。組み立てはシャフトを引くだけ、収納はグリップ近くのロック部をひねるだけという簡単操作を実現しています。収納サイズは37cm前後と極めてコンパクトで、25Lクラスのザックにもすっぽり収まります。

多くの折りたたみポールが抱える「組み立て・収納の煩わしさ」という課題を、シナノはツイストロックで見事に解決しました。

  • フルカーボン製で軽量性と強靭さを両立
  • 力もコツも不要なストレスフリーな操作性
  • ファストパッキングや公共交通機関利用の山旅に最適
  • 海外遠征などでその真価を発揮する収納性

軽さ、コンパクトさ、使いやすさの全てを妥協したくない要求の高い登山者にこそ選んでほしい一本です。

 

快適性重視ならFAST-A/Sシリーズ

FAST-A/Sシリーズは、長距離を歩く際の身体への負担を少しでも和らげたいと考える、快適性重視の登山者のためのモデルです。「A/S」が示す通り、アンチショック機能を搭載したコンフォートモデルで、特に下りでの膝や手首への衝撃を軽減し、一日の終わりの疲労感の違いを実感できます。

最大の特徴は、グリップ内部に巧みに内蔵されたアンチショック(衝撃吸収)システムです。地面を突いた際の衝撃を効果的に和らげることで、手首や肘、肩にかかる負担を軽減します。

重心が手元に近いため、アンチショック機能付きでありながらスイングバランスが良く、操作性が損なわれないのも大きなメリットです。

  • グリップ内蔵のアンチショックシステム
  • 長い下り坂での膝や関節への負担軽減
  • 荷物が重い縦走での身体への負荷を軽減
  • 一日を終えた時の疲労を軽くする効果を実感

より快適に山歩きを楽しみたいというニーズに的確に応えるモデルとなっています。

 

 

シナノが登山者から愛され続ける本当の理由

シナノのトレッキングポールが多くの登山者から長年愛され続けている理由は、単なる製品の性能だけではありません。

  • 購入後も安心して使い続けられる充実したアフターサービス
  • 日本メーカーならではの細やかな品質管理
  • 実際に製品を使う登山者の声を真摯に聞き続けるものづくりの姿勢

これらの要素が一体となって、他社では真似できない信頼関係を築いています。

 

壊れても安心な充実のアフターサービス

海外ブランドの場合、ポールの一部が破損すると修理が困難だったり高額になったりすることが少なくありません。最悪の場合、一本丸ごと買い替えざるを得ないこともあります。

しかし、シナノの場合は国内メーカーならではの強みを発揮します。伸縮ポールであれば、曲がったり折れたりしたシャフト一節だけを交換して修理することが可能です。また、先ゴムやバスケットといった消耗品や細かなパーツも容易に入手できるため、一つの製品を長く愛着を持って使い続けることができます。

シナノの修理サービスは購入店経由または本社直接送付で利用でき、以下のような特徴があります。

  • シャフト交換2,200円からというリーズナブルな価格設定
  • グリップ交換1,650円から5,500円で長期使用をサポート
  • 専門スタッフによる「お客様相談室」で技術的な相談に対応
  • 平日8時から17時まで日本語での詳細なサポート

 

海外ブランドとは一味違う日本品質

シナノは国内スキーポール市場で40~45%のシェアを誇り、国産スキー用ポールの100%が佐久地域で生産されています。トレッキングポール分野でも「日本製なので安心」「日本人にフィット」として圧倒的な信頼を得ており、この信頼は長年にわたる品質へのこだわりから生まれています。

世界的プレミアムブランドのLEKI(ドイツ)に対しては同等品質でありながら20~30%安価な価格設定で対抗し、Black Diamond(アメリカ)に対しては日本品質と手厚いアフターサービスで差別化を図っています。

Webメディアでの検証記事でシナノのトレッキングポールは、以下のような高評価を獲得しています。

  • 強度評価でトップクラスの「非常に高い評価」
  • グリップの「握りやすさ」「扱いやすさ」で高評価
  • 「突いたときの安定感の高さ」で優れた評価
  • 日本人の体格に最適化された設計への高い評価

 

登山者の声を製品に活かすものづくり哲学

シナノの強さを支える最後の要素は、有楽町や吉祥寺の直営店、自社ECサイトといった消費者との直接的な接点を持っていることです。ここで集められた日本のユーザーからの生のフィードバックは、即座に佐久工場の開発チームに届けられます。

そして試作、検証、改良というサイクルが国内で迅速に繰り返されるのです。つまり、シナノの製品は日本の登山者の声によって、日本のフィールドで常に進化し続けていると言えます。

「ステッキ工房シナノ」では約150種類の製品から専門スタッフが最適な製品を提案し、実際に使用するお客様の意見を直接伺って商品開発に反映させる取り組みも継続しています。

  • 直営店での顧客との直接対話を重視
  • リアルタイムでの製品改良サイクル
  • 日本の登山者のニーズに特化した開発
  • ユーザーとの共創による製品づくり
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【まとめ】シナノ(SINANO)が歩んできた歴史

1919年の創業から105年、シナノは一貫して「支える技術」を追求し続けてきました。わずか38円の資金から始まった信濃の小さな工場は、竹製スキーポールの製造を通じて日本のものづくりの精神を育み、南極探検隊にも認められる品質を築き上げました。

スキー市場の激変という危機を乗り越え、トレッキングポール分野へと事業を転換したのも、培ってきた技術への確固たる信念があったからこそです。

  • 日本人の体格に最適化された設計
  • 独自の特許技術
  • 国内一貫生産による品質管理
  • 充実したアフターサービス

これらすべてが、シナノのトレッキングポールを単なる道具ではなく、登山者にとって信頼できる相棒へと昇華させています。故郷への愛を込めた「シナノ」の名とともに、これからも多くの登山者の歩みを支え続けていくでしょう。