北アルプスの中央に位置し、その姿から日本のマッターホルンと呼ばれている槍ヶ岳は、保高連峰とともに人気を2分している。
昨年、奥穂高岳に登ったので、今年は憧れだった槍ヶ岳~奥穂高岳の大キレット縦走。
1日目:上高地バスターミナル~槍ヶ岳山荘
1年ぶりの上高地。
早朝に着いたので、肌寒かったのですが、昨年の経験から「歩いているとすぐに暑くなるだろう」と思って、半袖で山登り開始。
歩き始めると間もなく、河童橋。
皆さんここで写真を撮ってから、
「さあ、登ろう!」
という感じです。
河童橋から望む穂高連峰。
ここから横尾ロッヂまでは出来るだけ早く着きたかったので、少し早足で向かいます。
まずは明神館。
ここまでは上高地の観光客が多いです。
さらに歩くと徳沢園。
横尾までの道はこんな感じで緩やかです。
そして横尾山荘。
ニノ俣を谷の吊橋を渡り、しばらくゆるやかに登れば槍沢ロッヂ。
森に囲まれた静かな場所に佇むこの槍沢ロッヂは通常、山小屋にはないお風呂も備えているそうで、いつか泊まってみたいです。
ここからは山登りらしい道になってきます。
途中のババ平にはテントを張っている人が多かったです。
雪が残ってます。
そして大曲分岐。
ちょっとしんどいです。
暑いので水をこまめに飲みます。
大曲から天狗原分岐まではこんな道です。
頑張って歩いて、天狗原分岐。
上高地から横尾ロッヂまでの道が緩やかだった為、ハイペースで歩いたのですが、そのままのペースで大曲分岐、天狗原分岐と進むと正直、かなり疲れます。
普通に歩いていれば、そんなに険しい道ではないのですが、ギャップでやられます(笑)
とりあえず、そのギャップで疲れた体を休める為に、天狗原分岐で昼食を取ってから殺生ヒュッテに向かいます。
雲行きがかなり怪しくなってきました。
とりあえず殺生ヒュッテです。
皆さんテントの準備をしています。
ちなみに、殺生ヒュッテというすごい名前ですが、当時の猟師がそこで獲物の皮を剥いだのでその名前があるそうです。
殺生ヒュッテを少し過ぎた辺りから小雨が降ってきたので、少し急ぎます。
残り200m。もう少しです。
見えました、今日の宿、槍ヶ岳山荘。
槍ヶ岳山荘に到着。
槍ヶ岳はというと・・・
真っ白です。
本当は1日目に登りたかったのですが、雨も降っているし、頂上に行っても真っ白だと思ったので、次の日の朝に登ることにします。
この判断が次の日の予定を大きく揺るがすことになるのですが・・・
山小屋で荷物の整理をしてゆっくりしていたら、いつの間にか少し寝てしまいました。
前日の夜行バスであまり寝れなかったのもあって、山小屋に着いた途端、急激に眠くなりました(笑)
夕食までの時間がまだ結構あったので、本を読んでいたのですが、山小屋で隣になった人が
「少し夕焼けが見えるよ」
と教えてくれたので、カメラを持って外に。
遠くにうっすら夕焼けが見えます。
写真だと伝わりにくいと思いますが、本当に綺麗で感動しました。
写真には撮れなかったのですが、実は夕食後には星が見れました。
少し手を伸ばせば届きそうなくらい近くに星空があって、本当に綺麗でした。
満点の星空という感じでした。
次の日は晴れそうなので、あとはゆっくり休むことに。
2日目:槍ヶ岳山荘~大キレット~穂高岳山荘
日の出を見る為に早起きをして朝食を。
ちなみに朝食はご飯と味噌汁をおかわりをして美味しく頂きました。
夜明け前の空。
早朝から槍ヶ岳に登っている人もいます。
ヘッドライトが列になっています。
山小屋前は日の出を待つ人でいっぱいです。
日の出はいつ見ても感動です。
これを見ると疲れが吹き飛びます。
遠くにはうっすら富士山も見えます。
槍ヶ岳を見ると・・・
行列です・・・
早朝の行列を見て、嫌な予感がしましたが、ここまで来て登らないわけにはいかないので、急いで行列に加わります。
槍ヶ岳の行列から見た槍ヶ岳山荘。
写真では小さすぎて見えないかもしれませんが、小槍からロープで降りているクライマーがいました。
凄すぎます・・・
行列は一向に進みません。
待ちに待って頂上へのハシゴ。ほぼ直角です。
そして頂上へ。
三角点。
遠くに見える奥穂高岳。
今日はあそこまで行くのかーと。
頂上から見た小槍です。
アルプス一万尺の一節で、
「アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょ 」
とありますが、
ここでアルペン踊りを踊った先に待っているのは、「死」あるのみです(笑)
ということで、2日目は穂高岳山荘まで行かないといけないので、すぐ下山します。
本来は、頂上まで30分位で登れるのですが、渋滞で2時間以上もかかってしまいました・・・
当日の出発予定時間より2時間おしてしまったので、急いで出発します。
振り返ると、小屋の近くまで行列が・・・
大喰岳からの槍ヶ岳。
この辺から見る槍ヶ岳は綺麗ですね。
ここから先はこんな感じの道です。
槍ヶ岳がもう随分小さくなりました。
南岳頂上。
南岳小屋です。
本当は少し休憩したかったのですが、時間があまりないので、水と行動食を補給して大キレットに。
ここから大キレットが始まります。
こんな感じの道です。
垂直に近い感じのハシゴを2回降ります。
大キレットの最深部?から撮った写真。
結構降りてきました。
途中にかかっていたカラフルな旗が風に揺れて綺麗でした。
ここから北穂高岳までは、時間がないのと険しい道が続いたので、あまり写真を撮れなかったのですが、こんな感じです。
北穂高岳頂上。
槍ヶ岳方面は完全にガスってます。
そして、これから向かう奥穂高岳方面もガスっています。
北穂高小屋で休んでいる人が、次から次へとビールを買っていましたが、時間があまりないので、昼食は取らずに行動食とスニッカーズで栄養補給。
小屋で売っているみかんの缶詰に非常に惹かれましたが、600円という値段を見て断念。
みずみずしいものが食べたかった・・・(笑)
ということで、急いで穂高岳山荘に向かいます。
どうやら、ここで地図を片付け忘れてしまったようで、地図と地図ケース、コンパスを忘れてしまいました。
イタイです。
まあ拾った方が、活用してくれると嬉しいですけどね。
途中の写真は全くなく、いきなり涸沢岳。
そして、穂高岳山荘。
皆さんテントを張って夕食の準備をしています。
とりあえず受付だけ済まして、自分も昼食べる予定だったものを夕食にします。
小屋の前で夕食の準備をしている時に
「今日はジャンダルムから来ました」
という人が隣にいたので色々と興味深い話が聞けました。
西穂高岳からジャンダルムを通って奥穂高岳
というのは、いつか通りたい憧れのルートです。
そんな話をしていたら、隣でテントを張っていた人が、
「明日、ジャンダルムを通って西穂高岳に行こうと思ってるんです」
と言っていたのですが、次の日の天気が思わしくなく迷っていましたね。
流石にあのルートを雨の中で突き進むのは危険過ぎるので、早朝に起きて判断することにしたそうです。
小屋では色んな人と出会えるので、本当に面白いですね。
自分はまだ山登り歴が浅いので勉強になることばかりです。
3日目は下るだけなのですが、この日は疲れたのでゆっくり休むことに。
3日目:穂高岳山荘~奥穂高岳~上高地バスターミナル
早朝に起きたら小屋の前は真っ白です。
風がかなり強いので、雨が降る前に出発します。
奥穂高岳に向かう途中で、前日、ジャンダルムに向かうか迷っていた人とすれ違いました。
「流石に風が強すぎるので今回はやめます」
と。
もう笑うしかないくらいの風です。
そして、奥穂高岳頂上。
写真をお願いされましたが、風が強すぎて1回ブレました(笑)
本当に風が強かったので、気を付けて下山します。
途中の紀美子平。
ここから前穂高岳に登れるのですが、お先真っ白ということと、おそらく山登りを始めたばかりのグループの方が10数人でガイドの方と登ろうとしていたので、
槍ヶ岳での渋滞の悪夢
が頭によぎり、登るのは断念しました(笑)
途中の雷鳥広場。
本来ならここから絶景が見えるはずなのですが・・・
3日目ということで下山がかなり足にきます。
スローペースで下ります。
岳沢小屋です。
足がかなり疲れているので、ストレッチをして軽く休憩をします。
同じく奥穂高岳から下りてきた人と足がしんどい談義をしてから(笑)
先に上高地に下りることに。
もう足がかなりきてるので、のんびり花の写真を撮りながら下りることに。
超スローペースです。
おそらく少しコースタイムをオーバーしました。
岳沢名物の天然クーラーが涼しいです。
そして下山。
そのまま日帰り温泉に。
ちなみに風呂場も行列でした(笑)
風呂から上がった後に河童橋付近で食べたソフトクリームが、めちゃくちゃ美味しかったです。
そして、のんびり上高地バスターミナルへ。
今回は、初めての2泊3日の山登りでした。
正直、結構しんどい所もありましたが、最高に楽しい山登りでした。
自分の中の経験値が少し上がった気がします。
今回特に気付いたのが、
「トレッキングポールありかも」
ですね。
1泊2日くらいであれば、問題ないのですが、2泊以上になると、結構足にくるなと。
まあ今回はハイペースで歩いたのも原因だと思いますが、
「きっと下山の時にあったらいいだろうなー」
と、トレッキングポールを使って颯爽と下る山ガールを横目に感じておりました(笑)
まあなんだかんだで、憧れだった「槍ヶ岳~奥穂高岳の大キレット縦走」ができたので良かったです。
こうやって目標を達成していけるのは嬉しいですね。
来年は山登りを始めた時に、一番の憧れだった山、剱岳に登ります。